キレイな同人誌を作りたい!~マンガ同人誌編~
印刷会社に発注し、届いた初めて作ったマンガ同人誌。
装丁も思っていた以上にキレイな仕上がり。データ作成の勉強のかいもあって、不自然に途切れてしまっている部分もありません。
ですが、あなたは首を捻っています。
「…なくても問題はないけど…ここに描いた線がないなあ…。このトーン、網トーンのはずなのにどうしてチェック柄になっているんだろう…?」
その悩み、解決します。
- 描いたはずの線が消えている。
- 網点トーンのはずがチェック柄になっていたり、縞模様が浮かび上がっていたりしている。
これらを克服して、より良い同人誌を作りましょう!
印刷すると消える!?マンガには欠かせない線の謎
マンガには線の存在が欠かせません。コマを割る主線や、強調表現に使われる集中線などがもっともたる例でしょう。
そんな大事な線がPCのモニターにはバッチリ映っていても、印刷すると消えてしまうだなんて困りますね。そんなことにならないためのコツを紹介します。
消えない線を作成するために必要なことはズバリ。
線は全て、0.3pt以上の太さで描く。
たったのこれだけ!
これだけで大事な線は守られるのです!やったね!カンタン!
★豆知識
★0.3pt以上の線幅でも、色が薄いとかすれてしまうことがあるので
線の色の濃淡には気をつけましょう。
★文字も小さすぎたり色が薄いと同じ現象が起こる可能性があるので
注意しましょう。
柄ものトーンにした記憶はないのに!網点をモアレから守るコツ
モアレとは、トーンを重ねた際に縞模様などの模様が出来上がってしまう現象のことです。
この原因にあげられるのは以下の4つ。
- カラーモードをグレースケールにしている。
- トーンの下にグレーの塗りを置いている。
- 重ねているトーンの線数が違う。
- 重ねているトーンの角度が違う。
1.カラーモードをグレースケールにしている。
これを解決するには、グレースケールをモノクロにすることです。
グレースケールをモノクロで出力するとモアレの原因になってしまいます。マンガの印刷はモノクロで出力されるので、グレースケールでの制作はやめておきましょう。
2.トーンの下にグレーの塗りを置いている。
これも1と同じ理由なので、グレーの塗りでの表現は控えて、トーンだけで表現するようにしましょう。
3.重ねているトーンの線数が違う。
マンガ制作をはじめて日が浅いあなた。
「センスウってなに?」
って、思ったでしょう。私は思いました。
線数とは…?
印刷の精度を示す数字のことです。
トーンの線数をわかりやすくざっくりというと、
縦1センチ横1センチのトーンの中にある点の数です。
この点の数が一致しないトーンを重ねてしまうと、モアレとなって出力されてしまいます。重ねるときは、トーンの設定から同じ線数に調整て重ねしましょう。
4.重ねているトーンの角度が違う。
角度のズレにより、点がうまく噛み合わなくなることでモアレの原因に!
こちらも3と同じように、トーンの設定から角度を合わせて重ねましょう。
さいごに
これで線が消えてしまう恐怖から開放され、モアレからトーンを守ることができます。
満足がいくマンガ同人誌となりますように!
キレイな同人誌を作りたい!~写真集編~
苦労して撮りためた、汗と涙の結晶のコスプレ写真。
あなたは記念にアルバムにするべく人生で初めて印刷会社に注文し、家に届くのを楽しみにしています。
ついに箱が届きました。部屋に持って上がるのももどかしい。たまらず玄関で開封します。
おお、装丁はなかなかいいぞ…!
あなたの胸は期待と喜びでいっぱいです。そして、いよいよ本を開いたあなた。ところがショックのあまりに声を上げてしまうのでした…。
「なにこれ!?色がくすんでる!!この白い縁はなんだ!?文字切れてるし!!書体まで変わってる!?なんで!?」
こんなことにならないために!
キレイな写真集を作る鉄則をお教えします!
初心者がキレイな写真集を作る上で大事なことは4つ。
- 塗りたしサイズ
- カラーモード
- データの配置場所
- 文字のアウトライン化
これさえ押さえておけば間違いなし!
早速、一緒に写真集を作っていきましょう。
ステップ1 まずは作りたい本のサイズを決めましょう。
当たり前のことだとお思いでしょうが、実はこれがすごく重要。
これを間違えてしまうと後々の修正も難しくなってしまうし、
身に覚えのない謎の白い縁の出現の原因に…!恐ろしい!
白い縁の出現の鍵を握る!仕上がりサイズと塗りたしサイズ
作りたい本のサイズをA4とします。
本の中身は、黒ベタの背景にいくつかの写真を配置したページと、1ページいっぱいに1枚の写真を配置したページで構成するつもりです。
「本のサイズがA4ということは、作成する1ページ分のデータは210mm×297mmで作ればいいってことか!」
と、思ったそこのあなた!
残念ながら、届いた本のページは白い縁だらけです。
そもそも、この白い縁の正体は印刷されていない部分の紙の色。
はじめは大きな紙に印刷し、それを裁断して綴じて本は出来上がります。仕上がりサイズぴったりにデータを作ってしまうと、裁断時に起こるズレによって白い縁が出てきてしまうのです。
ではどうするのか。
簡単です。
仕上がりサイズよりも大きく作成すればいいのです。
そしてこの仕上がりサイズよりも大きなサイズを塗りたしサイズといいます。
A4の本の仕上がりサイズは210mm×297mm。
通常、塗りたしサイズは「仕上がりサイズ+6mm」となるので、
A4の塗りたしサイズは【216mm×303mm】となります。
この6mmは裁断される部分なので、間違っても切れてはいけないデータを載せてはいけませんよ。
鉄則その1!
データは塗りたしサイズで作るべし!
ステップ2 色のモードをCMYKにしましょう。
「パソコンで見るとこんなにキレイな色なのに、印刷するとどうしてくすんでしまうのだろう」
「RGB」がモニタ(ディスプレイ)上で再現できるカラーに対し、
「CMYK」は印刷で再現できるカラーのことを指します。
印刷の色は「CMYK」で表現されますので、RGBのデータでの印刷となると、モニタで見るよりも多少色がくすんで出力されてしまうのです。
PhotoshopやIllustratorでデータを作成する場合は、カラーモードを「CMYK」にして制作しましょう。
★Photoshop Elementsでは「CMYK」の変換ができないので、フリーの変換ソフトなどを使って変換しましょう。
鉄則その2!
カラーモードは「CMYK」で作るべし!
ステップ3 切れて欲しくないデータの配置に気をつけましょう。
ここまでで、カラーモードがCMYK、塗りたしサイズのデータができました。
裁断する部分も背景色で塗りつぶしてあり、これで白い縁が出てくることはありません。文字データもきちんと仕上がりサイズ内に収めてあります。
だけど安心するのはちょっと待って!
入稿する前にデータの配置場所を確認しましょう。
裁断する部分にはデータは無くても、仕上がりサイズのギリギリに文字データを配置してはいませんか?
切れて欲しくないけど、できるだけページの端に配置したいデータは仕上がり位置からから最低でも5mm内側に配置しましょう。
鉄則その3!
絶対に切れて欲しくないデータは、仕上がり位置から5mm以上内側に配置するべし!
ステップ4 文字をアウトライン化しましょう。
「アウトライン化」と聞いてピンとこない人は要注意。
「アウトライン化」とは、文字を画像に変換することです。文字を画像化することによって、文字化けが起こらなくなります。
入稿先のよそのパソコンで文字化けが起こってしまうと、自分が使いたかった書体ではなくなってしまう可能性があるのです。どうです、ゾッとするでしょう。
文字のアウトライン化だけは必ずやっておきましょうね。
鉄則その4!
文字データは必ずアウトライン化し、画像データに変換しておくべし!
まとめ
以上の4つさえわかっていれば、どんなサイズの本だって安心して作れてしまいます。
仕上がりが想像できずに不安な気持ちもあるでしょうが、紹介した4つの鉄則を守っていれば、まあ大丈夫でしょう。
あなたの初同人活動が成功しますように!